第一話 「寮のゆかいなメンバー達」


ドアを開け入ると、1人の黄緑色のAAがいた。
「こんにちわ」
「・・・・・・・・・・・・」

挨拶してもこっちを見てるだけだった。
確か彼の名は「シーン」だ。

「えっと・・あの・・今日からこちらの部屋でお世話になることになりました、モララーです。よ・・宜しくお願いしますだからな。」
「・・・・・・・・・・・・」

彼はホントに無口だった。
確かに前から無口だってことは知っていたが、これはちょっと寂しい。
そんなことを考えたとき

「・・・・・・宜しく・・・・・」

彼がしゃべった!!
俺は少し驚いた。なんせ彼の生の声を聞いたのは、初めてだったからだ。
そして彼だけしかいないかと思い。

「ここにいるのは、君だけ?ほかの人たちは?」

などと質問攻めをしてしまった。

彼は少し困った顔を見せ、黙り込んでしまった。
しまった・・・・
そんなことを悔やんでいると

「シーンはあまり話し上手じゃないから、そういうのはやめといた方がいいよ」

部屋のどこからか声がした。
声のした方に振り向くと、さっきは気がつかなかったが、もう1人、青紫のAAがいた。

「モララー・・まさか同じとこで寝ることになるとはね。フフフ」

彼の名は「ぎゃしゃ」、俺を虐殺するためにこの街に生まれたAA。明らかに彼の目には殺気がみなぎっている。

「まさか、おまいもこの部屋のメンバー?」
「まあね・・・あ、でも安心していいよ、この部屋の中ではやるつもりないから。どんな形であれ僕たちはこの同じ屋根の下で寝ることになる、仲間だしね〜。それにここでやると後がややこしいし・・・・」

その言葉を聞いて安心して寝れると少し安心した。
だがホットはできない、今絶対「ここで」を強調した。
確実に外では狙われる;

そんなぴりぴりした、気むずかしい空気をかき消したのは、いきなり後ろから大声で入ってきたやつの言葉だ。

「たっだいま〜・・て、あれ?なんでお前がいんの?モララー」

今度は青緑のAAだ
確か・・・名前は「アヒャ」だったと思う。

「あ、こんにちわだからな」
「まあいいけどな。それよりぎゃしゃ、飯は?アヒャヒャヒャヒャ」

彼の特徴的な笑い声だ。
あまり聞いたことなかったから・・・いや、正しく言うと彼のこの笑い声をあまり聞き慣れていないから少しビックリした。

それにしても元気のいい声だ。聞き慣れていない分なおさらそう思った。

「ああ、お帰りアヒャ、ご飯なら君の隣にいるじゃん」

こいつの隣・・・・・・て俺!!??
アヒャがこっちを見る
いやいやまてまてちょ・・・
そしてぎゃしゃが

「じょうだんさ。フフフ」

彼が言うと冗談には聞こえない。
だがアヒャは

「冗談はやめろって、マジで腹へってんだよアヒャヒャヒャヒャ」
「腹が減ってるならなぜ笑う、余計に減るだろ。・・・それにまだ6時にもなってないぞ、早すぎ。」
「減ってるもんはしょうがね〜だろアヒャヒャヒャヒャ」

確かにまだ日も沈んでいない、早すぎだ
そしてさっき聞きそびれた人数のことをアヒャに聞くことにした。
彼なら答えてくれるだろう。少なくとも

「ここにいるメンバーで、この部屋のメンバー全員なの?」
「ん?ああ、後2人いる、まああいつらが帰ってくるのは日が沈んだ後だがなアヒャヒャヒャヒャ」

何がおかしいのやら;・・・・

ある程度この2人の雑談(?)を聞いている内に、この部屋の雰囲気がわかってきた。だが、どうしても後2人のことが気になる。
このメンバーに足りない物を持った2人・・・・
全く俺の知らない2人・・・・
うは!!夢が広がリング♪・・・・・

どたどたどたどたどたどた!!

なにやら騒がしい音とともに声が

「僕が先だ!!」 「なにを!僕だ!!」

どうやら2人いるようだ。
ここの2人かな?
聞いたことない声だ

シーンが部屋のドアを開け、ドアの横に立つとその2人が勢いよく部屋に飛び込んできた。

「シーン!!」 「どっちが早かった!?」
「・・・・・・・・ひだり・・」
「いやっほう♪!!」 「ちぇ・・・」

俺は2人を見て驚いた。
1人は青色のAA、もう1人は緑色のAAだった
それに・・・何しろこの2人は

「あ、モララーじゃん」 「なんでここにいるの?」
「や・・やあ、・・・さいたまの・・右と・左・・・だよね?」
「そうだけど」 「なんでそんなこと聞くの?」

初めてまともにしゃべってる2人を見た。
と言うかまともにしゃべれることを知った。
すごく気になったので

「なんでおまいら外では「さいたま〜♪」しか言わないんだ?すごく気になるんだからな!?」

と聞いていた。
2人は顔を見合わせて

「だって」 「太陽SUNは、さいたましか言えないし」
「太陽SUNは」 「僕たちの光だから」
「「仲間外しに何か、したくナインだ!!」」

と言った。
これには驚いた、驚きすぎた。
今まで迷惑としか考えたことのなかったこの2人が・・この2人が!!
めちゃくちゃいいことを言っている!!

そんなことはおいといて、ここに来た目的を思い出し、仕切り直しておれはこう言った。

「これで全員かな?今日からここでお世話になりますモララーです。宜しくお願いしますだからな。」

皆が俺を見ている、少し緊張したが

「宜しくな、敬語はいらないぞ。アヒャヒャヒャヒャ」
「宜しく、まあ楽しくと行こうね。フフフフフ」
「・・・・・・・・・宜しく・・・・・・」
「モララー」 「宜しく〜」

皆の言葉を聞いて緊張もほぐれた、同時に嬉しかった。


その夜

部屋が一つなのでみんなで布団を敷いて寝る。
布団を敷いた後、さいたま2人は速攻で寝た。
シーンとぎゃしゃは、将棋をしている。

俺は来たばかりだし、何すればいいかわからなかったので布団に入った。寝ようとしたとき。

「なあ、モララー」

小声で話しかけられた。
隣で寝るアヒャだ。

「なんなんだからな。」
「前から気になってたんだけど、お前って彼女とかいるの?」
「はぁ?」

意外な質問に情けない声が出る。

「いいじゃねえか、教えろよ。アヒャヒャヒャヒャ」
「別にいないけど・・・・・そういうお前は?」
「おれか?フフフ、お前にできたら教えてやる」

っているのか!?

「まあ彼女と言うより、気になる子・・かな。アヒャヒャヒャヒャ」
「・・・・・・何か、修学旅行の夜みたいだからな。ところでなんで俺に?ほかにも気になるやついっぱいいるだろ?」
「だってさ・・・みぎとひだりはすげえ早寝早起きだし、あの2人はしゃべってくれね〜もん」
「ああ、」

確かにシーンとぎゃしゃはしゃべってくれそうにない。

「だけど、何かこういう夜も面白いんだからな」
「おお、やっぱ? おれも。」

皆が寝静まったころ
ぎゃしゃが起きて台所に向かった。気になったので俺も様子を見ようと立ち上がろうとしたら。

「お前は寝てろ、ただあの2人のため朝食を作ってやるだけだ。」

とぎゃしゃに言われた。

少々気になるとこもいくつかあったが、今日はもう寝ることにする。
明日から新しい生活が始める。
明日が楽しみだ。