2[悪夢の伝説]

本部につくとなんだかメンバーが少なかった。


「お帰りなさいリーダー。」
「ああ、他の奴らはどうした?」
「外に出られております」
「そうか、おいショボ。こいつを頼む」


メンバーのショボがこちらにきた。
俺がおぶさっているやつを見て


「リーダー、そいつって・・・」


ショボも前の事件の経験者だ、まあこいつを忘れるわけはない。


「なんで俺がこいつを連れてきたか考えろ。」


ショボも理解出来たようで、奥の部屋からタンカーを持ってきた。


「リーダーもきて、聞きたいことがある」
「わかった」



部屋にはいる

部屋に入るなりショボが


「なんでそいつを運んできたか教えてください」


と聞いてきた。


「こいつが今はAIじゃないからだ」
「嘘つかないでくださいそれだけではないでしょう」
「奇妙な計画が聞こえた。それがこいつと関係あるみたいだ。」


俺はショボにナナシアの計画を話した。


「プレイヤーを操る・・・ほおってはおけませんね。とりあえず彼の応急処置をしましょう。」
「頼んだ」


なんだか外が騒がしい。


「リーダー!街の見回りに出たネーノ副リーダーから連絡です!」
「なんだ」
「街にて謎の人物がAIを襲っている、被害が出る前にプレイヤーを避難させます。」


急いで外を見ると大きな光が見えた。
見覚えがある光だ。

そういえばあの事件の後、事件を止めた伝説のプレイヤーは、どこに消えたのだろうか。

肩の古傷が痛む。





!なんだ!?

突然外で何かが光り、街のあちこちが燃え上がっていた。


「リーダー、応急処置終わりました。もうちょっと運んでくるのが遅かったら崩壊が始まるとこでした。でもなにやら高度な停止プログラムで頭部しか動かせるようにできません。」
「そうか、よくやった。」
「それよりさっきの光りはなんですか?」
「見てみろ」


ショボが外を見て唸るように


「なんでまた・・・・・」


といっていた。


「ボス、起きました」


アイツが起きたみたいだ。
奥の部屋に入ると壁にうっかかるように座るアイツ、モララーがいた。


「俺はフサ、ここのリーダーだ。」


こいつは今街で何が起こってるか知らないはずだ。
ある程度今の状況を教えてやる。
だが、こいつはうつ向くばかりで反応がなかった。

他の奴らを部屋からだし、二人きりになった。
そしてこいつの胸ぐらに思いっきり掴みかかり


「俺はお前の顔を見るとはらがたつ。他のAIどもと一緒でな。」


そう言った。
やっと口を開いた。


「なにを、お前に恨まれることなんか・・・」
「忘れたとは言わせねえ」


俺は1年前の事件を話した。
話してる内に、また古傷が痛む。
そして怒りも・・・

うつ向いて反応を見せないこいつを見て、我慢の限界だった。
刀を抜いて突き出した。

その時、
部屋の壁が壊れて誰か入ってきた。
すなぼこりが晴れて、そこにいたのは。

伝説のプレイヤー。ギコ!?・・・・・


「どうしちまったんだよモララー」


ギコは外に向かってそういった。
その後、しばらく状況を理解するのに手間どった。

ここいいたモララーとギコが会話をはじめた。
AIの力?一緒に戦う?
わけがわからない。
そしてギコの腕に付いてるガントレットを見てやっと理解出来た。
あの事件の後ギコはAIになったのか。伝説のプレイヤーが消えた真相はこれだったんだ。
だけどこの二人の会話、AIという感じじゃなかった。どことなくプレイヤーの会話に聞こえた。


「なあ、あんたらAIはなんでいるんだ?」


なに聞いてんだか・・・・・


「この街とプレイヤーを守るため」


答えはギコから帰ってきた。
そんなのわかってる、俺が聞きたいのは・・・・・



ガ!!

ギコにモララーが掴みかかっていた。
体動かないんじゃ・・・


「ギコ、俺も・俺も戦いたい!」


本当にこの時のこいつはAIには見えなかった。

ギコがモララーに何かのプログラムを渡し、モララーがそのプログラムを凄い早さで書き込んでいる。

突然モララーの体が光った。








光りが晴れると青髪の青年がいた。
腕にはAIのガントレット、名前はモララーだ。
モララーはギコが入ってきたところに行くと、燃え盛る街に向かって手を出した
そうすると街の炎が一瞬で消えモララーの手にはあの時の大刀、思い出したくもない赤い大刀が握られていた


「いくぞ」


そういって二人は街を破壊しているやつ、ナナシアの元に向かっていった。








「追わないんですか?」


ショボが部屋の入り口から言ってきた。


「追うに決まってんだろ。AIばっかいい格好させてたまるか。」


刀を持って二人の後を追った。