1[始まりの黒い影]
゛ギコ、さぼるな゛
新米AIのギコがサボっているのでしかる。
AIが、自分の欲で行動するのは、厳禁だ
あいつは入ってきたときからさぼり癖があるな・・・・・
「あんた、AIだろ?街の案内頼めるか?」
そんなことを考えているとプレイヤーに話しかけられる。
AIとプレイヤーは、区別ができるようAIには、専用のガントレットが付けられているので仕方がない。
゛さぼるなよ゛
管理AI用の端末を使い、そういい残してプレーヤーの案内に移る。対人マニュアルがあるから、容易なことだ。
゛はいはい゛
最後にやる気のない、返事が帰ってきた。
案内を始め、色々な場所を案内していく。
途中、通信がおかしくなったが後で本部に戻ればいいので気にはしなかった。
なんだか街の様子がおかしい、俺の気のせいか?
「AIってのも、ちょろいもんだな」
案内してたプレーヤーがいきなり変なことを言い出す。
「こうも簡単に引っかかってくれるとはな。フッフッフ」
さっきまでプレーヤーだったそいつは、別の姿に変化した。
「さてと、おまえらAIが持っている鍵を渡してもらおうか。」
鍵?何でこいつ鍵のこと知ってやがる。
ヤバい気がしたので武器を抜いた。
「お前、何者だ?」
AIの防衛用の剣を突き出し聞いた。
その瞬間ヤツの手が光りなにかが俺の両腕を貫いたの感じた。
痛くはなかった。
確かな攻撃行為だからこちらも攻撃できる。
剣を振り上げ・・・・・・・・・・・・
腕が・・・動かない!
またヤツの手が光った。
こんどは両足
気付いた時にはもう倒れていた。
「そいつは停止プログラムだ、動かないだろう」
停止プログラムだと、なんでこいつそんなものを
やつは倒れた俺の頭を持ち上げた。そして
「めいどのみやげに、いいこと教えてやるよ。なんでおまえの鍵を狙ったのか。いや、正しい言うとおまえらか。」
なに!
「ここのメインコンピュータに侵入するためさ。」
やはりこいつの狙いは、あそこへの侵入か。
「だがあそこに進入するだけなら意味はない。お前らの鍵もいらない。」
鍵がいらない!?何者だこいつ
「この街の仕組み知ってるよな?人間の脳をコンピュータに接続しコンピュータのなかの仮想現実に住む・・・
だったらその流れを逆にするとどうなる?・・・・・・・・・・
答えは簡単、一時的に脳にこちらからの命令が送られ、体がその行動を実施する。
つまり一時的な催眠術みたいなものさ。フッフッフ
だが、それを実行するにはメインコンピューターを少しばっかりいじらなきゃならん
あそこをいじるにはお前ら一部のAIが持つ鍵がいるんだよ。」
そんなことしてなんに・・・・・・・・!!
「気づいたみたいだな。そお、このネットワークは全世界に繋がっている。
全てが思うままになるんだよ。」
やつは俺の体に手をあてた。
その瞬間俺の頭に言葉が、
[システム管理AI name/モララー]システム管理の権限を移行します。
AIの力、権限、全てが奪われた!。
そしてアイツはかすかに笑いながら
「俺はナナシア、全てを手に入れる神だ。」
と言った。
体が重い・・・・・
俺は消えるのか・・
゛なんだ此処は?゛
夜の街に俺はいた。
手には見たことのない赤い片刃の大刀
体が思い通り動かない。
゛なんだ!?゛
突然俺の体が走り出す。
意思とは関係なく。
゛止まれ!゛
何度も頭の中で繰り返すが、止まらない。
前方に何か見えた。光?
その光は矢のように俺に飛んできた。
知らないはずなのに・・・・・
・・・・俺はこの光景にみに覚えがある・・・・・
矢のように襲いかかる光を俺の体はしりぞけ、相手との距離をつめる。
大きな樹の前にいたのは・・・・・
同じAIのしぃとギコだ
もしかして俺はこの二人を!・・・・・
゛止めろ、止めろぉぉ!゛
ギコを叩き付け大刀を投げていた
ギコをかばいしぃが投げた大刀を受けて消えていく。
それなのに俺は
笑っている
゛止めろ、止めてくれ゛
その時何か大きな力を感じた。
体の方も気付き、振り返るとそこにいたのは、
青白い光の剣を持った青年姿をしたギコ。
俺の体はそのギコに向かっていく。
激しい戦いが始まり、ビルに落下する。
ギコが持っていた剣がはぜ、周りが光に包まれた。
そして
何も見えなくなった。