1[2色の天使]

「ずいぶん殺られてきたね」




「久しぶりに会ったっていうのにいきなりその言葉か。まあいい、俺の体を治してくれ。」






白い誰かと黒い誰かが話をしている






「あれだけの攻撃をうけてまだ体が残ってるとはね。」





「力は使い方次第だ、崩壊のプログラムを破壊した。いいから治せ。」






黒い方は体にクロスの傷をおっていた。






「それは本気で聞いてるのかな。」




「へっ、やっぱり駄目か。なんであいつらに力をかした?」






白い方が立ち上がり。






「君と同じさ、クロ・・・いや、ナナシアと呼ぶべきかな?」





「同じだと」






白い方が歩きだした






「やりたいからやった。そうだろ」





「なんでお前は俺の邪魔をする。お前だって此処から出たいはずだ。答えろ!シロ!!」






クロと呼ばれたやつが長い刀を手にだした。





「彼らが面白かったから」





「嘘をつくな!そんな事のハズがない、そんな事でお前がエル・プログラムを渡すハズはない!」






シロと呼ばれたやつが手に銃を持った





「前にも言ったはずだ。俺達は力が大きすぎるプログラム。自我で行動してはいけない」





「やっぱり力ずくか。破滅の銃、俺が作った破壊プログラム、そいつじゃ俺は殺せないぜ」





「どうかな?」






二人が走り出す。






クロが激しい斬撃を繰り出す。







だがシロはその斬撃を簡単に避けている。







そして銃声が響いた。







二人が距離をとった。







「無駄だって言ったろ。」







クロは肩に銃をうけていた。







「それに俺の刀、完璧には避けきれていない」







シロも腕に少し傷をおっていた。







「君も僕にその刀のプログラムが効かないこと位わかっているはずだ。」





「長引きそうだな、俺の破壊のプログラムが強いか」





「僕の蘇生のプログラムが強いか」










「「いくぞ!」」







光に包まれ二人の戦いが始まった。







長いようで短い戦い・・・・・・・・








「ハァー、ハァー、ちくしょうめ」




「ハァー、ハァー、どうしたクロ、息が荒いよ」





「お前だって荒いじゃねえか。」








二人の戦いは凄いものだった。







ほぼ互角の力で、避けられない攻撃を繰り返し、わずかに致命傷を避けて傷をおう。



シロはむきだしの傷はないが、治した傷あとがいっぱいあった。



クロは大きなクロスの傷あとと四発の銃弾の傷。だがそんな物などないかのようだった。





「準備はいいか?」






「ああ、終りにしよう。」





クロがシロに向かってまっすぐ走り出す。

シロはクロに向かってまっすぐ銃口を向けた。








バァァン!








シロの撃った弾丸はクロの体に当たる。












「効かないって言ったろ。終りだ。シロ!」









長い刀を目一杯にさげ、突き刺す構えで突っ込む。












「・・・・・確かに終りだな。だけど勝つのは僕だ。」










クロの長い刀が突き刺さる・・・・・












ガシャン!

寸前で止まった。










ガシャン!ガシャン!ガシャン!









クロの両手両足に鎖のついたブレスレットがついた





「シロ、貴様ぁ!!」



「思い出したくもなかったろ。僕達を長年縛りつけたこの鎖。」




「・・・・・・・あぁ。だがな、忘れてないか?俺はこいつを破壊出来るってことを」




「ならやってみるがいいさ。」




「言われなくとも」








クロが鎖を吹き飛ばそうとする。







・・・・・だが鎖は壊れなかった。



「君だって忘れてないか?僕が何者なのか。」




「なるほどな・・・・・へっ。早く殺せよ」




「まだだ、まだやらなきゃいけないことがある」




「あぁ?」




「そうだろ、ナナシアさん。」




そう言うとシロは消えた。










「ちっ」
ジャラジャラ






クロは壁にうっかかり座る。