2[名もなき記憶]

「だいぶ街も元通りになってきたね。NoName2」
「ああ、これも俺達が頑張って治してるたまものさNoName1。」
「こら!NoName1、NoName2私語をするな!」
「「すいません、」」


街の上を飛び交う二つのプログラム、

プログラムの蘇生、再生、強化のプログラムNoName1。
プログラムの破壊、切断、消去のプログラムNoName2。

とある事件で壊滅状態になったプロジェクトの復旧のため、街の壊れた部分を破壊し、元通りに再生していく。


「なあNoName1、」
「ん?なんだい、」
「なんであんな事件起こったんだろうな。」
「手に入れてはいけない物をプログラムが手に入れてしまったから・・・・・」
「なんなんだ、その手に入れてはいけない物って?」
「それは・・・・・」

「またしゃべってる!私語をつつしめと言っただろ!」

「あ、」「すいません」


また作業にもどる。










「今日はここまでだ、二人とも戻れ」

「「はい」」


やっぱりさっきNoName1が言ったことが気になる。


「おーいNoName1・・・・あれ?」


隣にいたはずのNoName1がいない。

とりあえず反応をたどってみる。


「こんなとこに居たのか」
「あ、NoName2・・」


ここはデータの管理倉庫、いわいる図書館


「立ち入り禁止だろ?ここ」
「そんなこと気にしない」
「まあ、いいけどさっきいってた手に入れてはいけない物ってなんだ」
「自我っていうバグでね、」
「自我?なんだそれ。」
「自分で考えて行動をしてしまうバグ」
「はぁ?なんだそりゃ、お前自分で考えてえて行動するなんて当たり前だろ。」
「そう、だけど人はそうは思ってない。僕達プログラムも意思を持ってることを知らない。」
「てことはそれってバグでもなんでもないんじゃ・・・・」
「そう。ここの本(データ)には、意思を持つのは生物だけだって書いてる。」
「だったらそれは間違いだな。俺達プログラムも意思は持ってる」
「間違いじゃないよ」
「え?」
「他の本にはこう書かれいる。生物とはつねに動いているもの。」
「それがどうした。」
「僕達が動いてないときなんてあったかい?」
「あ・・・・・」
「人は気づいてないんだよ、そこに」


その時のNoName1の顔はどことなく寂しそうだった。


「さて、そろそろ交代の人が来る。僕達もいこ。」
「ああ、・・・」

俺達も、生物か・・・・・
戻る途中、壊れた通信プログラムを見つけた。

NoName1を呼ぼうとした時、


「あの二人は役にはたつが、危険なプログラムを持っている。」


そのプログラムから会話が聞こえた。


「確かにまだ試作のエル・プログラムを持っているのは危険だ」
「それに、あの事件のようにあの二人が反乱すればもう止められない」


俺達の話?


「では決まりだな、修復が終わったらあの二人は削除と言うこ・・・ブツ!」


通信は途絶えた、なぜなら俺の隣にはNoName1がいた。治したのか。


「行くよ、NoName2・・・」
「今の話聞いてたか?」
「・・・」
「行ったら消されちまうぞ!」
「・・・・・だな」
「だったら・・・」
「行かなくても結果は同じだよ」
「・・・・・」
「そうなら僕達以外のプログラムに少しでも被害がないよう・・・」
「認めねえ・・・・・」
「NoName2?」
「ふざけんじゃねえ、なんで俺達が消されなきゃならねえんだ。なんのため俺達はあの街を治してんだ。」
「!!おちつけNoName2!!」
「俺達だって生きてんだ!なんで消されなきゃいけないんだ!こうなりゃこんな計画ぶち壊してやる!!」
「まて!NoName2お前は・・」


空間をぶち壊しメインコンピュータに向かう。


「どけぇぇ!!邪魔だぁ!!」


立ちはだかるプログラム達も破壊し、メインコンピュータの前についた。

だが、ここに来てトラップに捕まった。


「やはりお前にも感染してしまったかNoName2。」
「放せ!俺は消えねえぞ!!」
「お前には消えてもらう。」


「消えてたまるかぁぁぁ!!」


莫大な力が込み上げてきた。
これならいける!


「くっ、このままでは。」


だが、もう少しというところで・・・・・

止められた。やつに・・・


「力のリミッターを強化した。もう暴れられないよ。」
「NoName1・・・裏切ったな。」
「僕は君の仲間になった覚えはない。止めたはずだ」


・・・・・冷たい目だ。


「よくやったNoName1、あとは我々に任せて・・・・・」
「嫌です」
「!!、なんだと!!」
「聞こえませんでしたか?嫌と言ったんですよ。」
「NoName1・・・・・何を」


NoName1の言葉に動揺を隠せていない管理人のやつの声が聞こえた。


「おや?もう今ので分かるはずですが。」
「お前もかNoName1・・・・」
「ここは昔大きな爆発事件があったのでしょう?もしNoName2をそちらで処置するなら再現してあげましょう」


ガシャン!

NoName1にトラップが強制的にはめられた。


「お前にも消えてもらう・・・」
「ならばこちらとて全力で抵抗します。」
「・・・・・」


ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン!


俺達の両手両足腹部に鎖ワッカがついた。


「お前達をエリア外に閉じ込める・・・」
「妥当な判断ですね。」


俺達はワッカにどこかにつれていかれた。

何もない、真っ黒なところだ。
ここがエリア外・・・・
腹部のワッカが外れた。


「さ〜て、僕達好みにリフォームしよっか。」
「なんで、あんなことしたんだ・・・」
「君が考えてることなんて全部おみとうしだよ」
「だからってお前まで捕まることないじゃないか」
「・・・・・何言ってんの?だって僕達もとは一つじゃん」


確かにそうだ、俺とNoName1は元は一つのプログラム、開発連中が一人だと危険と判断し二人に無理矢理わけられた。


「それに二人でいれば、あいつらは僕達を消せない。」
「??」
「だから君の破壊と僕の再生の二つを上回るプログラムが今のあいつらにはないってこと。」


なるほど
俺だけなら破壊は出来るが回復が出来ない。
NoName1だけなら回復は出来るが破壊出来ない。


だが二人ならどちらも可能になる。


「わかった?」


俺のリミッターを外しながらいった。


「わかった。」


鎖のワッカを外しながらいった。


「さてと。じゃあリフォームといこうか。」
「だけど何もないぜ」
「フフ。甘い甘い、君が作られる前何処にゴミが捨てられてたと思う?」
「ここって事か、だけど何もないぜ。」
「多分削除したんだろう。だけど僕なら。」
「使えるように出来る。」
「正解」


なんか、自由っていうのかな。そんな感じがした。


「なあ、」
「ん?」
「なんかさっきの会話、プログラムって感じしなかったな。なんかこう・・・」
「人間の会話?」
「そう、それ。そんな感じしたな。」
「前も言ったろ。僕達も生物だって。」


そうだよな・・・・・


「「あのさ」」


あ、かぶった。


「君からどうぞ」
「あ、えーっとじゃあ。・・・名前でも付けない?俺達の名前。」


NoName1が凄く驚いていた。
確かにおかしい事言ってるよな;
そしてNoName1が笑いだした。


・・・・・いや;、そこまで笑わなくても;


「ハッハッハ。おっかしー。」
「なんだよ#確かにおかしい事言ってるけど。」
「いやいや、そうじゃなくて、」
「は?」
「全く同じ事考えてた。」
「てことはお前も。」
「名前でも付けない?」


笑ってる理由がわかったら、笑いが込み上げてきた。


「くく、ハッハッハ。お前以外と変なやつだな」
「君も充分変なやつだよ」


その後色々話し合った、リカバリーとブレイクってのが最初出たが、長い。
WとBってのが次に出たがなんか前と変わらない。


「なんか他に俺達だってわかるのないかな。」
「じゃあ・・・・・クロとシロってのは?」


これならいいかも。俺達だってわかるし長くもないし生物って感じられる。


「お、それいいかも。じゃあ改めてよろしくなシロ。」
「さっそくだね。よろしくクロ。」


その後も色々なことをした。


まず、壊れてたモニターと監視カメラのプログラムを改造して、街を見れるようにした。


次に擬似衣を作ってどんな姿にもかわるプログラムを組み込んだ。


念をいれ、倉庫をつくり他からは見えないフィルターをかけた。


それから一時してプロジェクト[Dream Linkage Project]が復旧した。