1[知られざる場所]

暗いエリアに四人の影。

「なんで俺達、無事なんだ?」
「俺は確かあいつの刀に斬られて体が崩壊して・・・・・」
「私は二人を助けるために・・・・・」
「・・・・・」

そこに居たのはモララー・ギコ・しぃ・フサの四人。
四人ともどうして此処、エリア外にいるか。なかでもモララー・ギコ・しぃは何故自分が生きているのか不思議でたまらなかった。

「俺は・・・・・お前らAIを勘違いしてた。」

フサがいきなり話をきりだした。続けて

「正直すまんかった。」

そういって頭を下げた
しぃはどう言っていいか分からなったようで、困ってた。

「頭を上げてくれ、何もあんたらプレイヤーが悪い訳じゃない。あんな事が起これば誰だって信用出来なくなる。それに・・・・・」
返したのはモララーだ。

「今ならはっきり思い出せる。悪いのは俺達AIだ。いや、俺だ。だから顔、上げてくれ。」

この時のモララーはとても苦しそうだった。

「「ギコ」」

二人に呼ばれて、ギコは少し驚いてた。

「かつては敵だった俺と一緒に戦ってくれて。それとあの時、俺を止めてくれてありがとう。」
「二度も俺達プレイヤーを助けてくれてありがとう。」
「私も・・・・・ギコ君、守ってくれてありがとう。」
「お・・おぃ;みんなしてありがとうなんて・・・・・。俺はただ必死だっただけだって;」

照れながらギコが言って
いた。

「でもどうしていきなり記憶が蘇ったのかな。」
「しぃも思い出したのか?」
「うん」
「分からない、普通こんなこと起きないはずだ」
「あいつがおまえらの記憶、元に戻したんだよ」

意外なところからもう一つの声が聞こえた。
四人が目をやるとそこには黒い影、ナナシアがいた。

「ナナシア!!」
「まだ生きてたか!!」

モララーとギコが立ち上がりナナシアを倒そうと武器を・・・・・

なんのまえぶれもなく、二人は倒れた。

「ふん、まだ治ったばっかしなんだから動けるわけねぇだろ」
「「くそ」」
「一人を除いてな。まあ安心しろ」

鎖の音が響いた。

「俺も動けねぇから」
「・・・・・」

フサが立ち上がり、刀を突き付ける。

「消えていったプレイヤー達の仇だ」
「どうぞご自由に、どうせもう俺は動ける力も残っちゃいない」

フサがナナシアに向かって走り出した。

「まあ、どうせ俺が死にたいって言ったって・・・・・」

ガッ

フサが吹き飛ばされた。

「お前は死なせてくれないンだろ?シロ」
「さあね。」

ナナシアの前に白い影が現れた。
色以外はほとんど同じ格好をしていた。

「何か俺、あんたに助けられてばっかしだな・・・・・」

フサがしぃに向かって言ったのだろうが、しぃは驚いていた。

「私じゃない、でもなんでフィールドシールドを・・・・・」

フサが吹き飛ばされた先には三角形のシールドがはられていた。

「面白いプログラムだったからかってだけどコピーさせてもらったよ。しぃさん」
「お前、何者だ?」
「自己紹介が遅れたね。僕の名前はシロ・・・・・て言っても分からないか。こう言えば分かるかな。」

この言葉に四人は耳を疑った。

















「これがお前の望んだ結末か?」







!!・・・・・・

「じゃあアンタが俺達に力を貸してくれた本人ってことなのか?」
「そういうことになるね」
・・・・・・・・・・
シロというやつが話を続けた

「君達四人にはお礼を言わなきゃいけないと思ってね。」
「お礼?」
「クロ・・・ナナシアを止めてくれてありがとう」

シロが片ひざをついて頭を下げた。

「俺は・・・必死だっただけだ・・・・・」
「なんだモララー、結局お前も同じじゃねぇか」

モララーが少し怒った。

「話を続けるよ。君達には僕らの正体を知ってもらう」
「正体?」

シロがうなずいた。

「僕の名前はシロ。またの名を再生と強化のプログラムNoName1。そして彼はクロ、またの名を・・・」
「破壊と停止のプログラムNoName2。自己紹介ぐらい出来る。」
「いまは違うけど、元は一つのプログラムだった」
「NoName?・・・」
「僕らは名前を付けて貰えなかった。」
「じゃあシロとクロってのは」
「自分達で付けた」
「おかしい、プログラムの名前は仕事を与えられる前に決まるはず」
「よく知ってるね。そう、だけど僕らの場合は違った。あまりにも急な仕事がきたから名前を付ける前に始動した。」
「急な仕事?」
「[ナイトメア]管理人達はそう呼んでいた。管理AIによる大規模な反乱。あの事件で街は壊滅状態までダメージを受けた」
「そこで使われたのが俺達」
「街を復活させるには僕らに組み込まれたプログラムが不可欠だった。だけど管理人達は少し前にプログラムによる反乱を見たばかり、一つのプログラムとしては大すぎる力を持っていた僕らは二つに分けられた。そして能力強化プログラム[エル・プログラム]が組み込まれた。」
「??なんかさっきの話矛盾してないか?力が大きすぎるから分けたのにまた強化するなんて」
「彼らは僕ら片方の反乱なら止めきれる自信があったみたい」
「・・・なんで反乱なんか起こしたんですか。」
「それは・・・・・」
「あとちょっとで復旧完了って時、管理者連中が俺らを消す計画をたてていた」
「そんな・・」
「それに反乱を起こしたのは俺だ。シロは俺を助けるためにあいつらに反抗した」
「・・・・・」
「わかって貰えたかな?」

シロがモララーとギコの足にを触れながら言った。
その後しぃの足と腕にも手を触れた。

「これで動けるはずだよ」
「え、あっ!足動かせる」
「俺も動く」
「ありがとう」
「い・いや、別に・・」
「なにが「いや、別に」だ、動かないようにしてたのもお前のくせに」
「あははぁ?なんか言ったかな?クロぉ」
「いやいや、君の気のせいだと思うよシロぉ」

・・・・・
重たい沈黙が走った

「さてと、じゃあそろそろ本題に入りますか。」

そう言うとシロはクロにどこからともなく出した銃を向けた。