2[知らされる真実]
シロがクロ(ナナシア)に銃を向けている。
「流石に六発目は限界だな。」
「破滅の銃、君が作った破壊プログラム。撃ち込まれたら内部から崩壊させる破壊の弾丸、計六発」
「へぇ〜。あの時説明もろくにしなかったのによく分かってるじゃあねぇか」
「一発一発に重みがある弾丸。僕は裁きに使うことにした。」
「はぁ?なにいって・・」
「いま君に撃ち込まれれてる弾は五発。何故なら君にはそれだけの罪がある。」
「・・・・・」
シロが銃を向けたまま、歩み寄る。
「一つ、メインコンピュータへの侵入・破壊の罪。
一つ、刑罰放棄・脱獄の罪
一つ、街・システムの大量破壊の罪
一つ、プレイヤーの虐殺の罪」
「・・・・・」
「君が放った裏と呼ばれる住人、ウララー・エゴ・ウラー・エー。ウララー以外の三人は僕が片付けておいた。」
「・・・・早く残りの罪と六発目の罪を言ったらどうなんだ」
「・・・・・あと二つの罪は同じだ。」
「存在の罪」
「やっぱりか。だがな、そいつはおかしいぜシロ。その罪は俺だけじゃないはずだ。違うか?」
「・・・・・」
「それに一つの罪に二つの裁きってのもおかしいじゃねぇか」
カチリ・・・
クロの頭に銃口がきて、安全装置が外される。
「俺に存在の罪があるならお前にも存在の罪はあるはずだ。違うか?シロぉぉ!!」
シロが銃を構えた。
その場にいた誰もが息をのんだ
そして引金を引く。
カチン・・・
「えっ!?」
一人を除きそこにいた全員がそう言っただろう。
シロが持っている銃が放ったものは乾いた金属音だけだった。
「・・・おいおい、こんな時にロシアンルーレットか?趣味悪いんじゃ・・・・」
カチャ
シロが弾装を開いた音だ。
カラン・カラララン・カラン・カラン
薬管が落ちた。数は・・・
六こ
「後一発は何処だ。」
「最後の裁きはもう終わっている」
「その弾、俺は嫌と言うほど気配を感じるはずだ。此処に来たとき他の所に気配を感じなかったし、まだ気配を感じる。」
「存在の罪、君が言ったとおり僕にもある。」
「・・・・・!!まさか、お前」
「近くに気配を感じるなんて当たり前さ。最後・・いや、最初の一発は此処にあるから」
シロが人で言うと自分の胸のに当たる部分を触れながら言った。
「街に君が現れたとき、あの時君を止めもしなかった自分が嫌になってね。こいつで消えてしまおうと思った。だけど撃ったとき、見つけたんだ」
「見つけた?」
「あの時の答えを。本当はさっき言った裁きなんてどうでもよかった」
「あの時?・・・」
「覚えているかい?国の王と住民の話」
「ああ・・」
「君は王と言い、僕は住民と言った。だけど・・・違った」
「は?王なのか?」
「それもちがう。僕はその国を尋ねる旅人になりたかったんだ。」
「・・・・・」
クロはしばらく考えて
「なるほどなぁ。確かにお前を表すとすればそうなのかもしれねぇ」
そういった
「なぁ」
これはギコだ;
二人が振り向く。
「おいおいギコ、邪魔しちゃだめだろ。さっきの話は。」
「そうだよギコ君、もうちょっと空気よまなきゃ」
「同感だな」
「え、そうなのか?」
いきなり話を切り出そうとしたギコに対してこうろんしてる四人を見て
「あいつ、緊張感ないのか?」
「・・・・・;」
クロが小言をいった
「あぁ、こいつ気にしないで良いから続けて」
・・・・・;
話が続いた。
「そして僕は君に会わなきゃいけないと思った。だけど破壊能力のない僕から会いに行くことは出来ない。」
「だからあいつらに力を貸して、俺を倒させたのか」
「再生能力のない君なら、必ず僕に頼ると思ってね」
「おかしいと思ったぜ。一人は消されたプログラムは持ってるし、一人はAI権限二つもてるし、一人はプレイヤーのくせにAIなみの運動能力持ってるし、一人は他人の権限移行出来るし。」
「貸したのは僕だが使ったのは彼らの意思だ」
「あぁ、そうかい」
話が一段落終えた。
するとまたもギコが
「さっき聞こうと思ったんだけど。今の話で二人の関係は分かった。じゃあなんでクロの方は街を襲ったんだ」
「そんなこと聞いて何になる?」
「場合によっては力いっぱいぶん殴る」
「・・・・プッ、アッハッハッハッハ。面白い、良いだろう、話してやるよ。」
四人、そしてシロまでも彼の話に耳を向けた。
「俺はあの街が好きだった。だがその街を作った奴らは最低な奴らだ。さっき言ったろ?反乱を起こしたって。」
「あぁ、」
「あいつらの態度がゆるせなかった。だからあいつらの作った街を破壊すりゃ気分がおさまると思った。」
「・・・・・」
ギコが立ち上がりクロに近づいた
パァン!
クロがぶたれた。
しぃに。
「街が好きだけど破壊した?ふざけないでよ。」
「・・・・・」
「貴方の起こした破壊活動でどれだけの人やAI達が消えたと思ってるの?」
「・・・・・」
「消えていった人達の中には貴方と同じ位街が好きだった人もいるの。」
「・・・・・」
「だから・・・・」
「しぃ、もう分かったから。こいつには何言っても無駄だ」
彼女の苦しそうな表情を見て、ギコが止めに入った。
パチンッ
シロが指を鳴らすと、クロにはまってるリングが全部外れた。
「なんのつもりだ。」
「もう君を縛りつける意味がなくなった」
「・・・・・」